Sunday, July 19, 2015

少子・高齢化社会に関わる業種への供与補助

本日の読売新聞朝刊(7月19日)に、政府は2016年度より、2013年度に実施してきた「非正規の職員・従業員」を対象に正社員として採用した企業に対する助成金制度を恒久化にする方針になったと報道された。当措置は一人の正社員化に対して政府が最大「50万円」を雇用者に助成するものである。2013〜14年度の2年間に計90億円の助成金支給が決定された。

雇用者(買手)は労働者を「非正規の職員・従業員」として採用する最大な理由の一つとして労働コストの抑制である。政府の正社員化に対する助成金の支給は雇用者のコスト増を軽減させる効果がある。「非正規の職員・従業員」は正社員に転換すれば、給料 の増加のみならず、健康保険料や厚生年金保険 料等は労使折半になるというメリットを受けられる。

補助金50万円は当然税金から支給されるものである。単純に計算すれば、50万円は約510万円の収入に課する所得税と相当である。つまり、年収をYとし、基礎控除額は38万であり、(Y-38万円)x20%-42.7万円=50万円とある。よって、Yは約510万円となる。つまり、当助成措置によって正社員になった職員・従業員の年収は510万円以上となれば、それらの職員・従業員が自らの税金によって正社員に転換することを意味すると同義であり、しかもそれになって1年での納税と相殺する意味でもある。決して悪い政策ではないと思う。

しかしながら、別の視点からこの50万円の補助金はより効果かつ効率的な代替案が存在しないかを検討することも値する。一つの視点は少子・高齢化に関わる業種である。これらの範疇に入る仕事は給料や年収が低いと言われ、人手不足が続いていると指摘されている。

年収510万円に該当する女性の職種は次の通りである。看護師は511.3万円(平均年齢は31,4歳)、薬剤師は510.3万円(33.3歳)、准看護師は487.3万円(41.4歳)、福祉施設介護員は364.7万円(33.5歳)、ホーム・ヘルバーは362万円(41.5歳)、幼稚園教諭は292.2万円(29.4歳)、である。他方、男性に関して保育士(保母・保父)は 508万円(39.6歳)、看護師は476万円(29.5歳)、理学療法士・作業療法士は456万円(31.8歳)、準看護師は423万円(39.8歳)、福祉施設介護員は316万円(29.5歳)、看護補助員は249万円(28.5歳)、である。

これらの業種は正に少子・高齢化を支える必要不可欠な職業であるが、実際に一手不足の状況が続いている。補助金50万円をこれらの業種の供与として当てても良いと思う。人手不足の原因の一つは年収が低い割に業務がキツイとされている。それらの業種に50万円を補助すれば、勤めたいと行動する人も増えると思う。

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