Sunday, June 07, 2009

グルジア

5月26日はグルジアの独立記念日であった。イヴァネ・マチヴァリア大使の招待を受けて在日グルジア大使館主催のパーティに出席した。

グルジアは1918年5月26日に帝政ロシアの崩壊に伴って共和国として独立した。1921年から91年に至って旧ソ連の一部であった。国土面積は約7万平方キロメートル、人口規模は約440万人である。当国は日本との経済関係は薄く、日本人はグルジアに関する知識は凡そ次ぎの通りである。

スターリンの生誕国、バラ革命(03年11月)、ロシアからの虐め(08年8月に分離独立を目指そうとする南オセチアに対して武力制圧したところ、ロシアから軍事介入)、そして日本で活躍されているグルジアの力士である黒海太(幕内)、栃ノ心(幕内)、臥牙丸(幕下)。

5月26日グルジア人の力士3人共、祖国独立記念日に駆け付けた。それを機会にパーティに出席した私は黒海太と栃ノ心と記念写真を撮らせて貰った。



Thursday, June 04, 2009

六四天安門事件20周年に思うこと

本日は、89年6月4日に中国の指導者が天安門広場で中国共産党の腐敗や経済改革の格差是正、そして民主化を求める一般市民のデモ集団に対して無差別発砲による弾圧事件が20周年を迎えた。この事件の死傷者の数は未だに正確に分かっていないが、数百人~数千人のレンジであったと言われている。より深刻なことにデモしていた一般市民に対する武力弾圧の真相、ならびに政治的責任については20年が経っても明らかにされないままにある。それはいわゆる極少数の老百姓の命を換えて、13億人以上の人口を抱えている中国の安定を守る「共産党王朝」の論理を徹してきたからである。

天安門事件以来、中国の経済は目覚しい成長が続いてきた。89年現在の一人あたりGDPは700米ドル以下であったのに対して、今日それが既に3,000ドルを超え、20年間に4倍の増となった。確かにこの驚異な成長過程に13億人の老百姓の生活は豊かになった。この成果について、「共産党王朝」は自慢するのみならず、とりわけ天安門事件の武力弾圧を正当化にする最良の材料としている。

しかしながら、中国は目覚しい経済成長の裏に多岐に渡る深刻な問題を抱えている。具体的には、東西と南北の問題は依然として続いており、さらに昨年より発覚するようになった有害食料品問題、そして2桁の成長率の実現に深刻化する環境問題が挙げられる。また、米国に端を発した世界経済危機によって中国の経済成長スピードは減速している中、失業者の数は増加しつつある。中でも、年間に600万人以上の大卒者(日本の労働力人口の1割に相当)を吸収する力が弱ってきた。これらの問題は「共産党王朝」の存続に最も大きいな脅威の一つであるとしばしば指摘されている。

ところで、過去60年に東アジア諸国は開発独裁主義によって経済発展を遂げてきた。整理すれば、東アジア地域では3つの開発独裁主義の形態があろう。第一に、軍事政権によるグループであり、韓国、台湾、タイ、インドネシアはその代表であった。第二に、長期的な民主政権が主導する開発独裁のグループであり、日本、マレーシア、シンガポールはそれに該当する。第三に、中国とベトナムに代表される共産党の一党政権というグループである。第一と第二の二つのグループから、経済発展レベル(通常、一人当たりGDPのレベル)は、民主化の深化と正の相関関係、そして政治の国民経済への介入度合いと負の相関関係があるという二つの傾向が見られる。この考察を第3グループに当てはめれば、ひょっとして、中国も近い将来、政治体制の多元性が促進され、同時に国民経済への介入度合いが減るという時代が到来するかもしれない。

だとすれば、中国では老百姓は民主化が実現するのを静かに期待することがセカンドベストの選択であろう。この場合、「共産党王朝」の崩壊に繋ぐか、または「共産党」を中心にした多党制の政治体制になるか、という二つのシナリオが考えられる。いずれのケースも、20年前に天安門広場で民主化を求めようとした人達の希望であると思う。

六四天安門事件の犠牲者に対して敬意を表し、黙祷。

Wednesday, June 03, 2009

日本のインテリジェス能力

ここ数日マスメディアの報道をフォローしていたところ、彼らはインテリジェンス能力が欠けていることを改めて痛感した。二つの例を紹介しよう。

まず、先週末にイギリスで行われた「英国のスター発掘番組(Britain's Got Talent)」に対して、日本の某テレビ局は48歳のスーザン・ボイル女史を本命としたが、当てが外れた。この結果は要するに馬券のはずれと同じである。しかしながら、6月1日の当該テレビ局のワイドショーに、スーザン・ボイルの優勝を見込んで番組を組んでしまった関係で、優勝した「タンス・ユニット」というグループに関して殆ど紹介するネタの用意がなかった。こうした中で、当番組の解説者は一所懸命に準優勝になったスーザン・ボイルにスポットを当てることを繰り広げた羽目となった。このようなアプリオリに徹した番組制作の結果、視聴者は番組の本命が外れた時、優勝者や他の参加者について知ることができない状態となった。

二番目の例は金正日の後継に関する報道である。多くのメディアはこれまで長男の金正男(キムジョンナン)が本命の後継者としてきたように思う。しかしながら、最近、韓国等の外国情報源をもとに、三男の金正雲(キムジョンウ)が後継に指名されたことを受けて、日本のメディアは、これからならず者国・北朝鮮の偉大な指導者になる正体を把握する事が出来ないでいる状態にある。

高度情報化となっている今の世の中はインテリジェンス能力が求められているにも係らず、以上紹介した二つの例から拡大解釈すれば、日本においてはそのキャパシティが欠如している。仮に、事柄や事実(facts)をデータとすれば、類似しているデータを整理したものは情報となり、それをもとに理論や知的に処理と吟味を経たものはインテリジェンスであると定義すれば、日本のインテリジェンス能力は「情報」の区分にしか達していないと評価するほかない。

Monday, June 01, 2009

タバコ税

案外、タバコを吸う人々はその消費に対して支払っている税金の詳細について把握していない。一体タバコの消費に伴い、税金がいくらかかっているのか。

財務省によれば、20本の紙巻きタバコは300円であれば、消費税を除いたタバコは約285円となる。そこからタバコ税は国タバコ税の71.04円、地方タバコ税の87.44円(道都府県タバコ税21.04円、市区町村タバコ税65.96円)、そしてタバコ特別税の16.40円から構成される。

年間約3,500万人の喫煙者が居り、09年度のタバコ税の収入は約1.8兆円と見込まれている。タバコの消費から得られる税収規模は大きいか小さいか別にして、その税金がどのように使われているかについて愛煙家には知らされていないと思われる。徴収されたタバコ税は実に喫煙者に還元されておらず(喫煙者のための施設を作ったりとか)、むしろ「一般財源」として位置づけられ、言ってみれば、政府にとって何も使ってもよい資金とされている。タバコの税収は通常国民の福祉や文化活動を促進する施設、公害・環境問題対策等の支出に充当される。

タバコ特別税は98年に施行され、タバコ1本当たり5.5%の税金が「国鉄清算事業団」および「国有林野と区別会計」の債務の返還に充当されている。09年度では約1,600億円のタバコ特別税が見込まれている。明らかに愛煙家は国の債務返済に貢献している。

喫煙者はタバコを吸うため、納税する義務が生じているが、昨今の世の中においては喫煙する権利が段々奪われているので、喫煙者の肩身が狭くなってきたように思う。旧国鉄の債務返済にタバコの特別税が充当されているにもかかわらず、4月1日よりJRの首都圏の駅は全面的に禁煙となり、愛煙家の一人としてJRの対応は如何なものかと思う。