Thursday, March 15, 2007

日興コーディアル株の東証上場維持に疑問

日興コーディアルグループは2005年3月期以降の有価証券報告書に不正会計による利益水増しの不正会計処理が発覚され、2006年12月18日より同社の株が東京証券取引所に上場の廃止か維持かを巡って株式市場関係者に注目が集まってきた。東証の独自の調査を経て3月12日に日興株の東証に上場維持という決定を下したが、その判断に疑問があると言わざるを得ない。

この不正会計に関して外部専門家からなる日興の社内調査委員会は「旧経営陣の一部が主体的に関与していた」と指摘し、「不正会計が組織的」であると認定している。しかしながら、これに対して東証の独自の調査結果は「不正会計は組織的、意図的とまでは言えない」と結論し、同社の株を東証に上場維持するという決定をした。

こうした対照的な調査結果は果たしてどれが正しいかについて立場によって意見が異なるのであろう。また、これは次のような例に類似すると指摘したい。つまり、「人を殺した」と自首する殺人犯が、裁判官に「殺人の証拠までは確証が揃えないので無罪である」という判決を下したことに例えられる。

ライブドアは不正会計による粉飾とした決算額は53億円であったため、同社の株が上場廃止された。一方、日興コーディアルグループの場合は不正会計による利益水増し額は2005年から約2年間に400億円と社内の調査結果で指摘されても東証に上場を維持することができた。この違いに関する公平な説明を関係当局に求めたい。