Tuesday, April 21, 2015

東京大学月次物価指数とデフレ脱却

黒田東彦日銀総裁は4月19日に米国メネソダ経済クラブにて講演を行った。黒田総裁は前年比の消費者物価上昇率(CPI)が0%に落ちたが、基本的に2%のインフレ目標に向かって上昇していく傾向にあると主張した。今後企業側が20年ぶりに実施する賃上げ(ベースアップ)はデフレ経済の終焉が近づく兆しであると強調した(黒田東彦講演原文)。

黒田総裁は自らの2013年4月に実施してきた異次元の金融緩和(量的・質的金融緩和)に対して楽観的である。2%のCPI上昇率は持続的に維持できない現状の動向が2015年度内に果たしてデフレ脱却が実現できるのかについて懸念されている。2015年1月〜3月現在の東京大学月次物価指数はそれぞれ、-0.39%、-0,48%、-0.19%(対前年同月比)であったのに対して、総務省のCPIは2015年1月では+0.49(対前年同月比)、2月では+0.44%であった。

そうした実態の中で、東京大学月次物価指数を構築した渡辺努教授は5月号の『文芸春秋』に「東大指数でわかった デフレ退治は進んでいない」というエッセイを寄せた。当エッセイによれば、日本経済のデフレは決して黒田総裁が主張している基調的な脱却状態にないようである。

黒田東彦総裁殿、「オオカミ少年」にならないように。。。。

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