Monday, April 20, 2015

AIIB:日米の執着を捨ててほしい

4月16日〜17日にワシントンで開催されたG20の財務大臣・中央銀行総裁会議にIMFの改革に関して米国政府は議会の批准が得られそうにない状況下で、G20の議題以外でAIIBの創立に関して中国をはじめ加盟を表明した国々が盛り上がったようである。

日米両国の財務省は依然としてAIIBは「国際スタンダード」のガバナンスや案件審査基準の透明性等を確保するよう再度牽制した。日米両国はAIIBのガバナンスや透明性に疑問を投げかけるのはやはり中国のイニシアチブによって国際金融秩序における主導権が脅かしていると警戒しているからである。

米国主導の「国際スタンダード」(日本も誠実に就いている)は中国や新興経済諸国の台頭と共に変わってきた国際経済のダイナミズムにとって必ずしもベストプラティスではなくなりつつある。G20のうち、G7を除く関係国は変貌した国際経済に相応しいベストプラティス、つまり既存の国際スタンダードの改善を求め続けてきたが、米国の硬直な態度で国際金融アーキテクチャーの再構築が進まない状況である。

以前も主張した通り、日米両国はAIIBがアジアの発展に役に立たせるために、加盟国として「内部」からベストプラティスの確立に関する関与やノーハウ・経験を共有すべきである。中国のリーダーシップを認めたくないが故に、ステレオタイプ的に「国際スタンダード」を言い訳にすべきではない。

実に既存の「国際スタンダード」に変わりうるベストプラティスがAIIBによって確立する可能性を否めい。なぜならば、絶えずオルタナティ・ブプラティスを追求すれば、より良い「国際スタンダード」(または国際的ベストプラティス)の確立に寄与するからである。イグナーツ・ゼンメルワィスというハンガリー人の医師が19世紀の半ばに手洗いによって産じょく熱を防止できる方法の普及はまさに伝統的なプラティスを覆した実例のように、中国主導のAIIBは新しい「国際的ベストプラティス」を確立してほしい。日米両国は執着を捨ててAIIBへ加盟することが望ましい。

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