Thursday, October 09, 2008

政府の総合経済対策

2008年の補正予算案が8日に衆院で通過し、これから参院で審議が行われ、当補正予算案は民主党の賛成が取り付けらており、16日に参院で成立すると見込まれている。当補正予算案は福田康夫前首相が8月末にまとめたものであり、主に中小企業向け融資の資金、燃料高騰の対応、後期高齢者医療費などへの財源手当てである。

予算案がまとめられてから既に6週間以上が経ち、その間、臨時国会の開催期間、福田康夫前首相の辞任、それに伴う自民党総裁選、そして麻生首相の選出に至っている間に、アメリカに端を発したグローバル規模の金融危機が10月に入って一段と深刻化され、金融市場の混迷が続いており、しばらくその沈静化が極めて困難であろう。この金融危機は国際経済の大恐慌を引き起しかねないと指摘されている。こうした外部環境が激変しているにもかかわらず、政府・与党が提出した補正予算案の内容は8末以前の経済状況をしか反映しておらず、補正予算の日本経済全般に与える即効性が疑われると言わざるを得ない。

極端にいえば、国会議員(衆参両方)は製造業の生産ラインを携わっている労働者の行動に例えられる。なぜならば、一度まとめた予算案は状況変化が生じても、それの国会承認を最優先にしているからである。新しい首相になった麻生氏はリーダーシップを発揮し、現実の経済状況、そして半年後の経済見通しを吟味して対応分野や予算の規模の見直しをも含めて補正予算案の修正を手掛けても良いはずである。

麻生首相は一段深刻化になってきた国際金融危機がもたらす実物経済や国民生活の影響を対応するために、追加補正予算の編成を行い、次の通常国会に提出すると報道されている。しかしながら、これは今の政局から予想すれば、この追加補正予算の執行は来年の2月になる。国内経済において日々の生活にますます厳しくなってきた国民にとって余裕のある年末と新年を迎えられるかどうかが懸念である。

また、いまの金融危機においては外需の力が激減している中、日本は内需拡大が政策の重点にする他ない。この焦点に関しては反対する人が少ないと思われるが、問題は内需拡大を牽引していく対策の中身である。それについては公明党が提案している定率減税(4兆円)、そして中小企業への融資のさらなる拡充、国民の住宅環境の向上を目的にした不動産・建設部門への支援、ガソリン税に係わる暫定税率の廃止、CO2排出削減に繋がる投資・補助などなど、つまり、民間最終消費の拡大、新築住宅や設備投資の奨励を通じた内需拡大といった対策は大切である。また、これらの経済対策を迅速にまとめ、次の通常国会を待たずに、この臨時国会で成立することが大事である。そのプロセスにおける国会議員の速やかな対応を期待したい。

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