Thursday, May 04, 2017

憲法記念日に思うこと

 昨日、70周年を迎えた憲法記念日に安部総理大臣が「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」、そして「9条に自衛隊明記」と明言した(朝日新聞、2017.05.04)。安部首相はこうした9条改正の考えを公に披露したのは初めてであり、「改憲派」が多大な把手を送ったのに対して、「護憲派」が大きく反発している。
 現憲法の施行は70年を経ってそれが平和国日本を象徴するシンボルである。現憲法は確かに改正しなければならない条項もある。しかしながら、それを実現していくため、「改憲」と「護憲」の二者択一ではない。つまり、改憲に対してイエスかノーかという選択ではなく、どの条項がなぜ、どのように、そして如何なる効果が期待されるかについて国民を交えて議論を重ねていくことが不可避である。
 憲法の前文は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」と謳っている。従って、繰り返しになるが、憲法の改正はイエスかノーかではなく、むしろ立憲主義に依拠すべきである

No comments: