Friday, August 28, 2009

プノンペンにおけるパレート法則の再現

パレート法則とは、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートが社会現象を観察して発見した「80:20」という法則である。つまり、この法則によれば世の中において80%の結果は20%の原因によってもたらされている。ある社会または国を例にすると、パレート法則は20%の人口が80%の富を支配すると説明する。

実際に、世銀のデータベースから2004年現在一人あたり国民所得(米ドルで購買力平価、PPP)の統計を使ってジニ係数の計算とローレンツ曲線を描いてみると、前者は0.793であり、後者は10%の人口が9割の世界所得を支配しているという極めて不平等な事実を確認することができる。パレート法則は厳密に「80:20」の比例であることを意味するのではなく、「90:10」という比率もありうることを注意すべきである。

8月中旬にプノンペンを訪れ、知り合いの事務所から眺められる写真は実にカンボジアのある銀行家の豪邸であるとのこと。2007年現在同国の一人当たりGDPは約600ドルであり、単純に考えれば、約1,400万人の国民は1日2ドル以下で生活しているという状況にあるにもかかわらず、一人の銀行家の豪邸はなんと何処かの国の首相官邸の豪大さであると感じる。カンボジアはここ数年10%位の実質GDP成長率を遂げ、その配当は一般市民に行き渡るよりも、パレート法則が予測している通り、富は1割か2割の人々に支配されているとこの写真が物語っている。


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