Friday, May 16, 2008

緊急援助の雑感

天は実に無慈悲である。

5月2日から3日にかけてサイクロンの暴風雨がミャンマー南部のイラワジ・デルタ地域(ヤンゴン市区を含む)を襲い、その結果、ミャンマー軍政の発表によると約3万5千人が死亡し(または行方不明となった)、約100万人以上の人々が被害を受けている(国連は軍政の発表した数字よりも高く推計している)。10日後の12日に、中国四川省ではマグニチュード7.8規模の大地震が発生し、中国側の発表によると、2万2千人超が死亡し、1,000万人以上の住民がその被害を受けているようである。

それぞれの天災に関して国際社会から様々な形や規模で緊急援助を行っている。日本では、政府は今日現在の時点に、ミャンマーに対して既に約1.07億円の緊急援助物資をミャンマーに提供し、そして約10億円を上限とする援助を行うことをミャンマー政府に伝えたようである。中国に対して、政府は5億円の緊急支援を行う他、緊急援助隊を派遣している(今日現在61名を四川省に派遣した)。

近年の情報通信技術の発達によって災害の模様はほぼ瞬時に世界中の人々に届けるようになった。そのお陰で、緊急援助においても、もはや政府の先行事項ではなくなり、一般市民が積極的に援助の手を差し伸ばすことが可能となった。今度のミャンマーと中国の自然災害に対して日本人は積極的に救援金を募っている。

しかしながら、一般市民の反応は被害国の政治や経済状況を関係なく、救援金の拠出規模はその国との親近感と強い相関があるように思う。例えば、ヤフーのウェブで実施されている「ミャンマー・サイクロン災害救援金」と「中国大地震救援金」の募金規模はこのブログを書いている時点に、それぞれ「5,724,293円、8,597人による」と「10,995,100円、10,864人による」という状況になっている。これを見ると、救援金の協力者は決して「経済人」の限界的行動を取っていないと考えてしまう。なぜならば、ミャンマーについては遥かに経済大国になった中国(GDPは約日本の4割、一人あたりのGDPは既に2,000ドルを超えている)と比べれば、緊急援助の限界効用が高いはずだからである。

2 comments:

Anonymous said...

I agree.

Freedom said...

Thank you.