Tuesday, February 23, 2010

冬季五輪と日本メディアの報道

日本メディアはバンクーバーの冬季オリンピックに参加している日本の選手のメダル獲得に対して大きな期待を持っているようである。23日現在日本勢が取れたメダル数は3つであり(1銀、2銅)、それが日本放送界の予想と期待からかなり少ないと思われる。それは多くの日本選手の実力以下という予想に反した結果よりも、元々日本勢の実力はかなりの種目において決勝ラウンドに進む実力を持ちながらも、メダル獲得に至るパワーが不足していると解した方が正しい。

こうした現実は日本選手が最も知っているはずなのに、日本メディアは大会の前、そして大会中に日本選手の実力を大きく膨らませながら、メダル獲得の期待を大きく煽らせ結果、選手のパフォーマンスに対して国民が失望している。しかし、全ての選手は全力を尽し、メダルを獲得するに至らなくても、競技界の最高級であるオリンピックに出場できたことに満足しているに違いない。それは素晴らしいスポーツ精神であると思う。

こういう姿勢はメディア界にとってはニュースの価値がなく、むしろ選手の実力を遥かに超えた幻想を作り上げ、読者や視聴者を囲んでニュースの価値を煽り、メディアの役割、報道の客観性や選手のスポーツマンシップ等は二の次である。

謂わば、「犬は人を噛んだ」に関してはニュース価値がなく、「人は犬を噛んだ」というのはニュース価値である。

1 comment:

Anonymous said...

同感です。
もしかすると、これは、「大日本」の心を持っているメディア業界の執拗ではないでしょうか。