Wednesday, June 03, 2009

日本のインテリジェス能力

ここ数日マスメディアの報道をフォローしていたところ、彼らはインテリジェンス能力が欠けていることを改めて痛感した。二つの例を紹介しよう。

まず、先週末にイギリスで行われた「英国のスター発掘番組(Britain's Got Talent)」に対して、日本の某テレビ局は48歳のスーザン・ボイル女史を本命としたが、当てが外れた。この結果は要するに馬券のはずれと同じである。しかしながら、6月1日の当該テレビ局のワイドショーに、スーザン・ボイルの優勝を見込んで番組を組んでしまった関係で、優勝した「タンス・ユニット」というグループに関して殆ど紹介するネタの用意がなかった。こうした中で、当番組の解説者は一所懸命に準優勝になったスーザン・ボイルにスポットを当てることを繰り広げた羽目となった。このようなアプリオリに徹した番組制作の結果、視聴者は番組の本命が外れた時、優勝者や他の参加者について知ることができない状態となった。

二番目の例は金正日の後継に関する報道である。多くのメディアはこれまで長男の金正男(キムジョンナン)が本命の後継者としてきたように思う。しかしながら、最近、韓国等の外国情報源をもとに、三男の金正雲(キムジョンウ)が後継に指名されたことを受けて、日本のメディアは、これからならず者国・北朝鮮の偉大な指導者になる正体を把握する事が出来ないでいる状態にある。

高度情報化となっている今の世の中はインテリジェンス能力が求められているにも係らず、以上紹介した二つの例から拡大解釈すれば、日本においてはそのキャパシティが欠如している。仮に、事柄や事実(facts)をデータとすれば、類似しているデータを整理したものは情報となり、それをもとに理論や知的に処理と吟味を経たものはインテリジェンスであると定義すれば、日本のインテリジェンス能力は「情報」の区分にしか達していないと評価するほかない。

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