Thursday, November 27, 2008

中小企業支援

 大学の同僚、佐久間裕秋教授に次の質問をした。「政府・与党は中小企業の資金繰り保証支援額を20兆円に拡大を打ち出し、第二次補正予算に盛り組むことに決定した。この対策 をより効果的に実現させるために、ミクロ経済レベル、そして地方レベルにおいて具体的にどのような政策の手当が考えられるか」。

以下の回答が寄せられた。

1)株式をはじめ投信、ファンドなど金融商品の下落が止まらない。レバレッジやオプションがらみのデリバティブ商品に手を出した投資家はさらに甚大な損失が発生している。多額の評価損を抱え赤字決算を余儀なくされた金融機関は、自己資本の低下を回避すべく資産圧縮に走った。貸し剥がしが横行し、結果として余波を被ったのが中小零細企業である。

2)貸出しの円滑化を図るには、自己資本の拡充が対策の王道ではあるが、市況悪化が進む中での新規の資本調達は容易ではない。こうした状況下においては、資産査定基準の緩和や時価会計の部分的適用停止などの緊急避難措置も已むを得まい。

3)建設、不動産をはじめとする相次ぐ大型倒産や原材料価格の高騰、急激な円高などに伴う景気後退など実体経済の急速な悪化も、一層の中小企業の経営環境の悪化を招いた。信用保証協会による保証枠拡大は、足元の資金繰り改善に一定の即効対策として期待できる半面、全部保証による斡旋銀行のモラルハザードは避けられない。兆円単位の代位弁済負担が発生した過去の反省はどう生かされるのだろうか。

4)自治体の制度融資窓口は年末の資金繰りに窮した地域の中小零細企業の駆込み寺と化している。小口の制度融資の一層の枠拡大を行ったとしても、信用収縮の大波の前ではその効果には限界がある。事態の改善には、当面の資金繰りを繋ぐ対症療法や景気を下支えするマクロ景気対策に加え、資産劣化により機能不全に陥った中小金融向け金融システム正常化のための方策が不可欠である。

Wednesday, October 22, 2008

Sunset Thinking

Do you ever watch the sunset
And just sit and think about things
Just you and the sky and darkness
Giving your thoughts some wings
..............................
..............................
..............................
for full version

Monday, October 13, 2008

自社株買い

日本の株安は続いている。10月3日にあったTOPIXと日経平均はそれぞれ1,047.97、10,938.14から10月10日の取引終了時点に840.86、8,276.43へと下がった。当期間中に東証とジャスダックを合わした時価総額は352兆円から282.3兆円へと減少し、約1週間の取引期間に69.7兆円が市場から消えてしまったのである。こうした深刻な状況を背景に、麻生総理は10日に世界的な株安の連鎖によって株価が下げ止まらない日本の株価への対策として、自社株買いの規制の一部を年末に撤廃することを表明した。

この対策は果たして効果があるかどうかを考えてみたい。

まず、株価の形成に関する基礎を見よう。株の価値は企業が作り出そうとする将来の収益の割引現在価値で決まるのを理解しなければならない。つまり、企業の将来利益はチャッシュフローで決まり、それは株主に対して配当金として、それを市場金利で割り引いて現在価値形で配分される。ここで企業業績は株価の形成に重要な要素であり、また、注意すべきは株の価値が一期先もしくはそれ以上の期間における将来の配当ないし利益で定まるものであって、過去の利益によるものではない点である。

次に、企業の収益は株価形成に影響を及ぼすことから、株の価値は、1)企業の将来収益の予想、2)その予想収益の上下、3)予想収益と異なる実績、と言った情報によって左右されることになる。基本的に、それらの事柄から株価が変動(つまり、株価が上がったり、下がったり)するのである。これらの情報をもとに人々は株の売り買いを行っているわけである。

したがって、麻生総理の自社株買いという対策は日本の株価の続落を歯止めさせると同時に、株価の持ち直しに対する効果が極めて低いという結論になる。また、以下述べる理由から日本の経済現況は自社株買いが株価の上昇をもたらすことが困難である。

自社株買いの狙いは、企業が自らの余分の資金を使って株式市場から自社株を買って株の価値を高めさせ、それによって株主価値の向上をもたらすことである。それは市場で流通している株の数を減少させることによって実現されるものである。さらに、企業の利益が増えた場合、または、前期の収益とあまり変わらない場合でも、流通されている株の数がさえ減れば、一株当たりの収益率が高くなり、その結果、株主価値が高まることになる。こうした因果関係で自社株買いを通じて株価が上がり、株主にとっては喜ばれるのである。

しかしながら、明らかに企業は自らの資金をもたなければ自社株買いを実施することができない。企業の自社株買いの資金は利益によって左右される。今起きている株価の急落はアメリカのサブプリマム問題を端に端した世界金融危機の状況から実物経済に影響を及ぼしている。国際経済の相互依存が高まってきた中で、今後の日本企業の予想業績ないし予想利益は下向きになり、いつ、どういう環境によって底打ちになるのかが見定まらない状況はしばらく続きそうである。こうした状況から、日本企業は自らの資金を活用して自社株買いによって株の価値を高めることが難しいと指摘せざるを得ない。

したがって結論として麻生総理の自社株買いの効果はあまり期待することができない。既に一段と悪化した経済状況を対応するために、やはり10日にこのブログで主張した内需拡大による景気対策に必要な2次補正予算を早急に導入するほかない。また、その一環として、企業が自ら保有している資金は自社株買いを使うよりも、設備投資に向けた方が自らの将来利益の改善に繋がり、結果として株価が上がることに貢献するのである。

Sunday, October 12, 2008

Ikebana

Ikebana is an art for traditional Japanese flower arrangements. There are many schools of ikebana in Japan. Photos below are ikebana from Ryusei-ha School, which was founded in Tokyo by Master Yoshimura Kaun in 1886.



Friday, October 10, 2008

選挙と景気対策

昨日、政府は速やかに第2次補正予算を導入しなければならないとこのブログ(9日)に書き込んだ後、麻生首相が実物経済において急速に悪化してきた景気に対する追加対策の策定を指示したというニューズが伝わってきた。同然の対応である。

が、他方、ジャーナリストや評論家の多くは追加経済対策の財源とか、追加政策案の国会審議の日程によって国会の早期解散が出来なくなるのではないとかなどのような後ろ向きの論調ばかりである。全く耳障りである。

確かに2年間弱の間に国民の信任を得ないままに3人の首相が交代してきたのは憲法に定められる衆院選を早期に実施した方が国のためになる。しかしながら、来年9月までに衆院を解散しなくいことも憲法に保証されていることも事実である。これは議会内閣制の原則である。また、追加経済対策の財源に関しては既に750兆円の借金にさらに加担することになり、2010年のプライマリバランスの達成を逃れることになり、高齢化になった日本経済における国民の財政負担がさらに大きくなると指摘されている。

でも、経済状況が悪くなれば財政赤字が良くなるはずがない。当たり前のことです。したがって今の不景気をどう対応するか、そのために赤字国債の発行もやむを得ない。でなければ、国民の生活が悪化する一方、依然として財政赤字が改善する兆しも見えない。

こうした状況下で、弁証法的に目下の景気浮揚の対策と政権政党を選ぶ衆院選の実施をセットで行えば一石二鳥になる。そのために、早急に衆院を解散し、各政党(現実に自民党と民主党という2大政党が焦点)は総合経済対策ならびに今後の経済見通しと長期的な視点に立脚したこの国のあり方を政策論点にしたマニフェストを掲げ、11月初旬でも選挙を実施してもらいたい。

このような選択をしなければ、麻生総理はスピード感のある景気浮揚対策を実施してもらわなければ、比較的に世界金融危機から遮断されている日本経済は一段と悪化され、国民は寒い年末と新年を迎えるに違いない。

Thursday, October 09, 2008

政府の総合経済対策

2008年の補正予算案が8日に衆院で通過し、これから参院で審議が行われ、当補正予算案は民主党の賛成が取り付けらており、16日に参院で成立すると見込まれている。当補正予算案は福田康夫前首相が8月末にまとめたものであり、主に中小企業向け融資の資金、燃料高騰の対応、後期高齢者医療費などへの財源手当てである。

予算案がまとめられてから既に6週間以上が経ち、その間、臨時国会の開催期間、福田康夫前首相の辞任、それに伴う自民党総裁選、そして麻生首相の選出に至っている間に、アメリカに端を発したグローバル規模の金融危機が10月に入って一段と深刻化され、金融市場の混迷が続いており、しばらくその沈静化が極めて困難であろう。この金融危機は国際経済の大恐慌を引き起しかねないと指摘されている。こうした外部環境が激変しているにもかかわらず、政府・与党が提出した補正予算案の内容は8末以前の経済状況をしか反映しておらず、補正予算の日本経済全般に与える即効性が疑われると言わざるを得ない。

極端にいえば、国会議員(衆参両方)は製造業の生産ラインを携わっている労働者の行動に例えられる。なぜならば、一度まとめた予算案は状況変化が生じても、それの国会承認を最優先にしているからである。新しい首相になった麻生氏はリーダーシップを発揮し、現実の経済状況、そして半年後の経済見通しを吟味して対応分野や予算の規模の見直しをも含めて補正予算案の修正を手掛けても良いはずである。

麻生首相は一段深刻化になってきた国際金融危機がもたらす実物経済や国民生活の影響を対応するために、追加補正予算の編成を行い、次の通常国会に提出すると報道されている。しかしながら、これは今の政局から予想すれば、この追加補正予算の執行は来年の2月になる。国内経済において日々の生活にますます厳しくなってきた国民にとって余裕のある年末と新年を迎えられるかどうかが懸念である。

また、いまの金融危機においては外需の力が激減している中、日本は内需拡大が政策の重点にする他ない。この焦点に関しては反対する人が少ないと思われるが、問題は内需拡大を牽引していく対策の中身である。それについては公明党が提案している定率減税(4兆円)、そして中小企業への融資のさらなる拡充、国民の住宅環境の向上を目的にした不動産・建設部門への支援、ガソリン税に係わる暫定税率の廃止、CO2排出削減に繋がる投資・補助などなど、つまり、民間最終消費の拡大、新築住宅や設備投資の奨励を通じた内需拡大といった対策は大切である。また、これらの経済対策を迅速にまとめ、次の通常国会を待たずに、この臨時国会で成立することが大事である。そのプロセスにおける国会議員の速やかな対応を期待したい。

Friday, July 11, 2008

フィランソロピー実践のための7つの鍵

日本では阪神淡路大震災後にフィランソロピー団体(助成財団)もしくは非営利組織(NPO)が雨後の筍のように激増してきた。中でも、米国と比べてまだ数が少ない日本の大型助成財団やNPOは事業の実施・運営・管理・評価等といったプロジェクトマネジメントを担うプログラムオフィサーという専門的な職員を持つようになってきた。この業界においては効果的なフィランソロピーや助成活動を行うためにプログラムオフィサーの素質に懸かっていると言われている。

恩師である林雄二郎先生(日本財団元顧問、日本フィランソロピー協会前会長)は以下のフィランソロピー実践のための7つの鍵をプログラムオフィサーが持たなければならないと強調している。

1、あまねく平等にではなく、優先順位を持って、深く、且つ、きめ細かく対応すること。
2、前例にこだわることなく、新たな創造に取り組むこと。
3、失敗を恐れず速やかに行動すること。
4、社会に対して常にオープンで透明であること。
5、絶えず自らを評価し、自らを教育することを忘れてはならない。
6、新しい変化の兆しを早く見つけて、それへの対応をすること。
7、世界中に良き人脈を開拓すること。

さてプログラムオフィサーはこれらを自行点検しましょう。

Friday, June 27, 2008

中国のサイバースペースにおける言論の自由化?

中国でのインターネット利用者数は既に2.2億人を超えており、世界一のサイバー規模になった。サイバースペースを通じて中国人は、対日感情、チベット問題に伴う北京オリンピックに係わる西側の批判を絡む反発、四川大地震の救援等といった「愛国無罪」の行為を煽るようになってきた。対日関係でいえば、最近の自衛隊の訪中と日中両国の東シナ海のガス田共同開発について中国の指導者は国内のネット世論に対して気配りをしていると報道されている。

しかし、この傾向は中国「流」の民主化プロセスと評価してよいかが疑わしい。いや、むしろ、これは中国の外交政策の道具として用いられていると理解すべきであろう。

過去30年にわたって目覚しい経済成長を遂げてきた中国は国際社会における地位が高まりつつある中、関係国との協調は従来の「特殊な事情」という言い訳の効用が逓減されてきた。従って、そうした状況下で、中国の指導部は新たな手法(悪く言えば「言い訳」)、つまり、例えば、ネット世論の重視とかを用いなければならない。

ネット世論の重視は中国「流」の「言論の自由化」に対する実験であることを勿論否定することができない。しかし、他方、このような断片的な報道(とりわけ、対外関係の問題)を受けて、中国の指導部は市民の声、または市民との対話を重視するようになったと結論するのが気になってしかたがない。

毛沢東は「百花斉放百家争鳴」というスローガンを用いて政敵や右派の知識人を弾圧したという歴史を思い起こせば、ネット世論の重視とは中国指導部の謀略であるかもしれない。

Tuesday, June 10, 2008

The Debut of a Young Researcher


My Ph.D. student--M. Affendy Arip--made his debut in presenting an academic paper at the 9th Spring Conference of Japan Society for International Development at the campus of Tokyo Institute of Technology on June 7, 2008. His presentation title is "An Empirical Study of Revealed Comparative Advantage and Intra-industry Trade between Malaysia-Japan-China."

Professor Hideki Esho commented: "The only weakness of this paper is it is loaded with too many interesting empirical findings." I take that comment as a compliment, and thus my celebration to Affendy's success in his first appearance in an academic conference.

Thursday, June 05, 2008

茶坊主とは

6月2日の日本経済新聞朝刊の「春秋」という欄は「茶坊主」とは何かを紹介した。社会人や組織に属している人にとってこの概念を把握した方が良いと考え、そのエッセイの概要をここで再現しよう。

「茶坊主」の意味は二通りある。つまり、1)室町~江戸時代に武家に供えて茶の湯の事をつかさどった剃髪の者(注:出家の意味ではない)、2)権力者におもねる者をののしっていう語、である。

また、このエッセイは立石優著の『いい茶坊主 悪い茶坊主』を引用し、いい茶坊主は1)社交性に富む、2)協調性豊か、3)調整能力がある、4)情報収集力に優れる、5)礼儀作法を弁えている、6)知性と教養がある、7)周囲に気配りする、という素質を持つ。

それに対して、悪い茶坊主は1)ゴマスリ上手、2)何事につけ要領がいい、3)告げ口する、4)人の弱みにつけ込む、5)権力者に取り入れるのがうまい、6)虎の威を借りていばる、7)人の顔色を窺う、という性格の持ち主である。

さて、こうした区分にしたがって社会人や組織人は身の回りにどういうタイプの「茶坊主」がいるかを識別して付き合う必要があるのではないかと思った次第である。

Wednesday, June 04, 2008

TICAD IV

Japan, with the United Nations, co-hosted the fourth Tokyo International Conference on African Development (TICAD IV) in Yokohama, on May 28-30. TICAD was first launched in 1993, for the purpose of promoting high-level policy dialogue--between the leaders of African countries, donor countries, inter-governmental aid organization, and NGOs--in enhancing development in Africa .

TICAD IV was attended by leaders from 51 African countries and 71 inter-governmental institutions, non-governmental organizations, eminent individuals, and representatives from 31 partner countries. This 3-days conference was concluded with a declaration--"The Yokohama Declaration"--that spells out an action plan for the next five years: in enhancing economic growth; in ensuring human security (including the achievement of Millennium Development Goals; and in addressing environmental issues and climate change.

More specifically, "The Yokohama Action Plan" emphasizes on the following priority areas:

First, importance of improving physical infrastructure, the role of trade, investment and tourism, strengthening agriculture and rural development to boost economic growth in African countries.

Second, promotion of community development for income generation, capacity building in education and health, and consolidation of peace in conflict areas, and good governance, in which the progress in these areas will become the foundation for achieving Millennium Development Goals in Africa continent.

Third, African countries need to promote environmental-friendly policy for mitigating and adapting to climate change. At the same time, African countries needs to enhance their efforts in reducing green house gas emissions by adapting the Clean Development Mechanism, and also to collaborate with Japan in participating "Cool Earth Promotion Program." Furthermore, improving water and sanitation in African countries is also a priority for promoting sustainable development.

In order to realize the goals set forth in "The Yokohama Action Plan," African leaders and their counterparts from countries and organizations endorse a broad partnership framework in implementing their activities for creating a vibrant African. This broad framework encompasses Asia-Africa cooperation, intra-Africa cooperation, public-private partnership, African development frontiers, and dialogue with civil society.

Prime Minister Fukuda Yasuo, in his opening address, pledges that the government of Japan will double its ODA amount to African countries by 2012. In addition, he also re-affirms Japan's commitment in promoting economic growth by providing up to US$4 billion of soft loans for the construction of infrastructure in Africa continent. In tandem, he also confirms that Japan will set up a new scheme known as Facility for African Investment in promoting and financing businesses in African countries. This facility will provide US$2.5 billions over the next 5 years.

Fukuda's pledges to African countries are impressive. Particularly, the emphasis on the importance of infrastructure in promoting economic growth signifies an alternative pro-growth approach in Africa. Japanese experiences in promoting infrastructure development in East Asia in the past decades indeed provide a lot of optimism in this approach for economic cooperation. Notwithstanding, there are at least three lines of critics on Japan's pledges.

The first group of critics claims that Japan's financial resources may not necessary trickle down to the people at large who are in dire need to improve their living conditions. The second strand of critics contends that Japanese money and its targeted priorities may marginalize the role of civil society organizations and international NGOs that are active in promoting development in Africa. The last category of critics, which come mainly from the Japanese themselves, strongly argues that Japan does not has the luxury in helping the development in other countries for Japan is facing a lot of financial constraints in coping with its own domestic problems such as support for its aging society, revitalization of its economy.

These critics have their merits. Thus, in order to prove them otherwise, it is vital for Japanese government and its citizens to create a set of visible mechanisms--but must be acceptable both in and outside Japan--that will monitor, assess and verify the cost and benefit, and the progress of their assistance to African countries. Failing which the critics, particularly the Japanese tax payers--will come back to say--"I told you so," and consequently making international development cooperation unpopular in Japan.

Sunday, May 25, 2008

Fukuda Doctrine 2?

Prime Minister Fukuda Yasuo delivered a dinner speech on May 22 at the 14th International Conference on "The Future of Asia" organized by the Nikkei.

In his speech entitled "When the Pacific Ocean Becomes an 'Inland Sea': Five Pledges to a Future Asia that Acts Together'," Prime Minister Fukuda spelt out the following five pledges regarding concrete areas that Japan intends to take in enhancing Asian growth.

First, to emphatically support ASEAN's efforts to realize a Community; second, to reinforce its alliance with the United States of America; third, to forge itself into a "Peace Fostering Nation;" fourth, to foster and strengthen infrastructure of Asia and the Pacific for intellectual and generational exchanges; fifth, to tackle climate change and establish a low-carbon society.

In concluding his speech, Prime Minister Fukuda said, "I will close my remarks today by saying that Japan and the Japanese people desire to forge bonds 'acting together' with the people living in this region as we strengthen 'heart to heart' trust."

Many observers claim that Fukuda Yasuo, in delivering his dinner speech on May 22, was very conscious of an important and historic speech delivered by his father, Fukuda Takeo in 1977--known as Fukuda Doctrine. Thus, it is anticipated that those five pledges by Fukuda Yasuo become Fukuda Doctrine 2 or New Fukuda Doctrine for the next 30 years!

Fukuda Doctrine (of 1977) constituted three pillars: firstly, Japan will never become a military power; secondly, Japan wants to develop a heart-to-heart relationship with ASEAN countries; and thirdly, Japan will cooperate in building a bridge between ASEAN countries and Indochina countries (Cambodia, Laos, Myanmar, Vietnam).

Consequently, in retrospect, Fukuda Doctrine laid the foundation for Japan to engage with Indochina countries contructively. Particularly, Japan's proactive role in mediating Cambodia peace process, which consequently created the political environment conducive for Cambodia, Laos, Myanmar and Vietnam to join ASEAN--and the formation of ASEAN-10 envisaged by the ASEAN's founding fathers.

In addition, in the last 30 years, Fukuda Doctrine has provided a platform for Japan to engage ASEAN-5 in building a mutually trusted relations, and also supporting ASEAN-5 economic development through ODA, and with private investment and trade. Fukuda Doctrine has thus encouraged Japanese private sector to work hand-in-hand with its government in promoting trade and investment in ASEAN. Most notably approach was that Japanese government concentrated its ODA to support physical infrastructures in ASEAN countries in order to faciliate Japanese private-sector's investments, which in turn has enhanced trade relations between Japan and ASEAN countries.

With the guide of hind-sights, let's hope in the next 30 years, the five pledges of Fukuda Doctrine 2 (or New Fukuda Doctrine) will bring about: a peaceful and stable Asia; an Asia which is greater than itself; and an Asia which is of a higher living standard.

Friday, May 23, 2008

緊急援助の雑感(2)

ミャンマーサイクロン災害および中国四川大地震の救援について世界中から政府・民間から様々な形で救援を行っている。日本国内でも同様である。例えば、5月16日の当ブログにおいて紹介されたヤフーのインタネットの募金は、本日現在「ミャンマーサイクロン災害救援金」と「中国大地震救援金」がそれぞれ「8,734,847円、11,310人」、「21,663,966、20,081人」となっているようである。一週間にミャンマーサイクロン災害の救援額は約6割増、中国四川大地震の救援金は倍増となった。

これらの数字は人が本来慈善的であるのを物指していると思う。これはまた経済学の言う「経済人の合理性」という行動原理に従うものではないようである。

Friday, May 16, 2008

緊急援助の雑感

天は実に無慈悲である。

5月2日から3日にかけてサイクロンの暴風雨がミャンマー南部のイラワジ・デルタ地域(ヤンゴン市区を含む)を襲い、その結果、ミャンマー軍政の発表によると約3万5千人が死亡し(または行方不明となった)、約100万人以上の人々が被害を受けている(国連は軍政の発表した数字よりも高く推計している)。10日後の12日に、中国四川省ではマグニチュード7.8規模の大地震が発生し、中国側の発表によると、2万2千人超が死亡し、1,000万人以上の住民がその被害を受けているようである。

それぞれの天災に関して国際社会から様々な形や規模で緊急援助を行っている。日本では、政府は今日現在の時点に、ミャンマーに対して既に約1.07億円の緊急援助物資をミャンマーに提供し、そして約10億円を上限とする援助を行うことをミャンマー政府に伝えたようである。中国に対して、政府は5億円の緊急支援を行う他、緊急援助隊を派遣している(今日現在61名を四川省に派遣した)。

近年の情報通信技術の発達によって災害の模様はほぼ瞬時に世界中の人々に届けるようになった。そのお陰で、緊急援助においても、もはや政府の先行事項ではなくなり、一般市民が積極的に援助の手を差し伸ばすことが可能となった。今度のミャンマーと中国の自然災害に対して日本人は積極的に救援金を募っている。

しかしながら、一般市民の反応は被害国の政治や経済状況を関係なく、救援金の拠出規模はその国との親近感と強い相関があるように思う。例えば、ヤフーのウェブで実施されている「ミャンマー・サイクロン災害救援金」と「中国大地震救援金」の募金規模はこのブログを書いている時点に、それぞれ「5,724,293円、8,597人による」と「10,995,100円、10,864人による」という状況になっている。これを見ると、救援金の協力者は決して「経済人」の限界的行動を取っていないと考えてしまう。なぜならば、ミャンマーについては遥かに経済大国になった中国(GDPは約日本の4割、一人あたりのGDPは既に2,000ドルを超えている)と比べれば、緊急援助の限界効用が高いはずだからである。

Friday, May 09, 2008

暫定税率の復活に関する考察

4月30日に自民・公明両党の337人の衆議員(3分の2以上)の賛成で、「道路特定財源」のための本来の税率に暫定的に上乗せたガソリン税を可決し、5月1日よりその関連法が施行された。この暫定税率は約2.6兆円の税収が見込まれている。暫定税率の維持・廃止か、特定・一般財源かをめぐって政府・与党と野党の間に過去数ヶ月にわたって攻防が繰り広げられ、マスコミが詳しく報道されてきた。

建設国債や赤字国債は発行されないことを前提に、ここでマクロ経済の乗数効果を用いてこの問題を検討してみたい。賛成派にとって暫定税率による税収は道路建設のための財源、つまり公共投資の効果が得られるという考えを置くことができる(ただし、中でも少子高齢化や温暖化等を対応するための一般財源にすべきと主張する人達もいる)。一方、反対派にとって暫定税率を廃止するのは減税の効果が得られるという考えを置くことができる。

まず、公共投資による乗数効果を見よう。一般的なマクロ経済モデルで用いられる次のパラメーター値を適用する、すなわち、道路建設の用地収得費用は公的固定資本形成額の20%、その乗数は1.2とする。よって、暫定税率の税収である2.6兆円から用地収得費用を差し引けば2.08兆円が道路建設にかかる費用となり、また、それによる公的固定資本形成の乗数から約2.49兆円の経済効果が得られるのである。

次に、減税による乗数効果を試算しよう。様々な実証研究によれば、日本の限界消費性向は06~0.7、消費乗数は1.2~1.3である。ここではそれぞれ0.7、1.3を適応する。よって、限界消費性向による消費増は1.82兆円となり、また、その消費乗数効果は約2.43兆円の経済効果が得られるのである。

以上の試算から、暫定税率を維持する場合は、廃止する場合と比べて約600億円の効果があるという結果になる。因みに第一生命経済研究所は約2.21兆円の増税効果(ここでは公共投資効果と同様)を試算している。

確かに乗数効果の観点から暫定税率を維持し、道路建設を継続した方が日本のGDPに600億円の拡大を寄与することができる。しかしながら、この効果は果たして国民にとってメリットがあるかどうかを考えなければならない。言い換えれば、暫定税率からの税収を通じた公共投資では無駄が発生しないという大前提があること。そして1億2千万人全員がその恩恵を受けられるという保証がなく、むしろ土建屋を中心となる集団がその利益を受けるのは実態である。

それに対して暫定税率廃止は車を利用する人達(少なく見積もっても7千万人が車を利用している)の規模は大きく安いガソリンの恩恵を受ける。さらに、より重要なことは減税による可処分所得の使い方が個々人の裁量に委ねられ、資源配分の効率性が向上されるのみならず、経済厚生も高まる。

こうして見ると、暫定税率は実に無特定多数の国民の利益よりも、少数の利益集団のためのものであるのは明らかである。

Saturday, April 19, 2008

偽造紙巻きタバコ(2)

3月25日に当ブログで紹介した中国の瀋陽国際空港およびカンボジアのプノンペン国際空港で購入した免税のマルボロという銘柄の紙巻きタバコは、日本のフィリップモリス社より、偽物であるとのシロ判定が出たので、報告しておきたい。しかし、日本のフィリップモリス社はそれらが北朝鮮で製作されたかどうかを調べることができないとのこと。それはそれとして、私は中国の瀋陽市が北朝鮮との国境が僅か250キロ離れていること、そしてカンボジアは北朝鮮と特別な関係(シハヌーク前国王が築いできたもの)を持っていること、という2点からそれらの偽造紙巻きタバコがならず者国・北朝鮮の傑作であるに違いないと指摘したい。

また、日本のフィリップモリス社が中国とカンボジアにある当社の代表を通じて国際空港での偽造紙巻きタバコの販売を摘発するとその再発の防止を徹すると指示したそうです。

Friday, April 18, 2008

A View of Two Worlds: Dandong and Sinuiju


More photos

Dandong is a city at Liaoning Province of the Northeastern part of China. This part of China in general and this city in particular, has more than 4,000 years of history. This city is at the frontier of Northeast China, separated from North Korea, by Yalu River. It has about 2.5 million inhahitants, about one third live in the city, while the rest live in rural area. Until 10 years ago, agriculture was the main income generating sector, but it has transformed itself into a city which produces manufacturing goods, and also the city is now flourish with businesses related to service sector. Tourism has become an important source of income for the city too. Tourist spots include the eastern start of the Great Wall, White Stone Natural Reserves, Wulongbei Hot Spring, Phoenix Mountain, etc.

China's open door policy and market-oriented economic policy have indeed produced higher income, and thus higher living standards for its people. Dandong is a typical success story in China's impressive growth record. Per capita income in Dandong is more than 12,000 Yuan (2005, which is more than US$1,500).

The town across Yalu River is known as Sinuiju. Dandong-Sinuiju-Yalu River was the front line battle ground between the U.S. soldiers and Chinese People Liberation Army in 1951-52. A few years ago, the Great Leader of North Korea has designated Sinuiju as a Special Economic Zone for attracting foreign direct investment into his cash hungry country. However, the concept did not take-off for the Great Leader thinks developing nuclear weapons bring more benefits than allocating resources and attentions to promoting economic activities.

As a result, the disparity of economic well being of these two cities, and their landscapes, are in great contrast. The first two photos exhibit high rise buildings, a reflection of Dandong's economic growth, whereas the last two illustrate that Sinuiju is still trapped in subsistence economy (which remains as a fishery and an agriculture-oriented). Port facilities and boats are obsolete, and if observe carefully, one wonders how fishermen could use them productively and safely. Instead, perhaps, one might think they are being used as camouflage for illicit activities such as...... (you imagine).

About 30 years ago, similar contrasting view was observed in Shenzen (an agriculture and fishery village then) and Hong Kong. But now, that city has the highest per capita income in China. That transformation is an undisputed result of the power of openness and market principles. Alas, the Great Leader believes that a nuclear warhead is far powerful than the power of openness and economic incentives for his hermit kingdom.

Saturday, April 12, 2008

Sakura and Spring

"A little madness in the Spring
Is wholesome even for the King,
But God be with the Clown,
Who ponders this tremendous scene

This whole experiment of green,
As if it were his own!"


Emily Dickinson (1830-1886)

Tuesday, April 08, 2008

既得権益:日銀人事

福田総理は4月8日に石川方明日銀副総裁(総裁代行)と渡辺博史前財務官(一橋大学教授)の二人をそれぞれ総裁と副総裁候補として衆参両議院に提示した。国会のねじれによって政府が旧大蔵省・財務省のOB候補は拒否され続けている。3月18日のブログに書いたように、この同意人事を巡って、昨年の参議院選挙後に明らかになったにもかかわらず、政府・与党はその対応をしていなかった。むしろ、政府・与党は自らの怠慢を感じず、そしてマスコミを抱き込んで、「日銀の独立性を尊重し、政治の人事決定を介入してはならないと主張し、その無責任を野党側に押し付けている。

この事態を冷静に考えると、なぜ、政府・与党は旧大蔵省・財務省のOBから総裁と副総裁を任命したいかというと、これまでの慣習に拘っているからである。つまり、政治家と官僚の間に既得権益を守ることである。それに関してマスコミの正しい対応は政府・与党の既得権益の固執が如何に不健全かを訴えることであるが、残念ながらその役割が果たしていない。

また、約1億2000万人の中から、旧大蔵省・財務省のOBに頼らず、日銀総裁および副総裁の要職に相応しい人材を選ぶことが困難なことではないだろう。このように考えれば、野党(特に民主党)の対応は決して無責任ではなく、むしろ彼らは国民に託された参議院における優位性を十二分に活かし、政府・与党と官僚の間の既得権益を排除することに貢献していると言って良い。それは政治なのである。

Tuesday, April 01, 2008

Congratulations, Dr. Surin Pitsuwan


Dr. Surin Pitsuwan, ASEAN General Secretary and former Foreign Minister of Thailand, was conferred of the Degree of Doctor of Laws Honoris Causa by the University of Bristol, on March 31, 2008. University of Bristol is one of the most famous universities in the U.K. Sir Winston Churchill was the Chancellor from 1929 to 1965.

Amitav Acharya, Professor of Global Governance, University of Bristol, provided an oration in this conferment ceremony. Dr. Surin was conferred for his outstanding records on (from Prof. Amitav Acharya's oration):

"First, there is the Surin the academician, blessed with a powerful intellect, the highest level education in both the east and the west, and a man of ideas that are often ahead of their time.

Then there is the Surin the people’s man, (I am deliberately not using the term politician) a man from the ivory tower who has his feet firmly on the ground, and who, unlike leaders of some Asian countries, actually contests and wins elections conducted freely and fairly

And last but not the least, there is Surin the statesman, from being foreign minister of a crisis-stricken nation desperately mobilizing international help, to being the secretary-general of the developing world’s most successful regional organization, a member and adviser to several of the world’s brain trusts.

The University of Bristol recognizes his substantial accomplishments of Surin the academician, Surin the people’s man and Surin the statesman. It recognizes his potential as ASEAN Secretary General to make a further significant contribution to the well-being of Southeast Asia and the international community."

Dr. Surin received his Ph.D from Harvard University, and the Degree of Doctor of Laws Honoris Causa from the University of Bristol has made him one of the rarest persons to have the best from two very prominent academic institutions in the left and right sides of the Atlantic Ocean.

Congratulations, Dr. Dr. Surin Pitsuwan.

Monday, March 31, 2008

Kavi's View

"SUDDENLY, Malaysia has become the most exciting place in Southeast Asia.......," writes Kavi Chongkittavorn, Assistant Group Editors of The Nation--Thailand's biggest business daily, on his regular column on March 31st.

He ends his article on Malaysia Politic Developments Will Have Impact on Region by contending that " Currently, the region's existing democracies such as Thailand and the Philippines are in disarray, plagued with political distability.......Further consolidation in Malaysia's democracy will resonate well in Indonesia's current political dynamic."

Quite optimistic. We shall see.

Thursday, March 27, 2008

子ども環境サミット@KOBE


今年の先進主要国首脳会議(通称、G8サミット)は7月7日~9日の3日間に北海道洞爺湖にて開催される。洞爺湖サミットは「地球温暖化」を主要テーマとしている。首脳の協議内容を詰めるため、一連の大臣レベルの会合が3月~6月の間に日本の各主要都市で開催される予定である。中でも、環境大臣会合は5月24日~26日の3日間に神戸市で開催される。それに合せて神戸市は民間イニシアチブで5月22日~24日に「子ども環境サミット in KOBE」(大森敏夫代表理事)という国際イベントが開催される。

このイベントは「未来を担う世界の子どもたちが集まり、地球の将来、環境について意見を交わし、交流し、未来に向けたメッセージを神戸から国内外に発信しよう」とすることを目的としている。サミットは21カ国・地域から115名(引率35名を含む)が参加される予定である。また、4日間にわたって参加する子ども達が主役となる交流の成果を踏まえて5月24日の閉会式に「子どもたちのまとめたメッセージ」が発表される予定である。

大人達はきっとなぜ子ども達環境サミットをやるのかという疑問を持つであろう。大森敏夫代表理事によれば、大人達に未来を設計してもらうよりも、子ども達にその未来を設計する役割を担ってもらうことが何より重要であるという。まさにその通りである。

1987年に国連環境委員会(ブルントラント委員会)がまとめた『Our Common Future(我々共有の未来)』報告書は「持続可能な開発(sustainable development)」という概念が提唱された。「持続可能な開発」とは「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことである。「子ども環境サミット in KOBE」はまさにこの実践に向けている重要な試みであることを特記したい。

21カ国・地域から100名弱の「未来の大人達」たる子ども達に対して、彼らの未来について大人達への注文を期待したいと同時に、大人達はこのサミットの成功、そしてこれを継続的に続けられるように応援していかなければならないと思う。

Tuesday, March 25, 2008

北朝鮮製の偽造紙巻タバコ

ならず者国・朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は核兵器開発等をめぐって経済制裁を受けている中で偽造タバコを通じて外貨稼ぎをしている。ウォールストリートジャーナルの調べによると(2006年)、当国は偽造タバコで年間8,000万ドルから1.6億ドル(約80億円~160億円相当)を獲得し、輸出総額の8%~16%に相当するという(2006年)。偽造タバコは明らかに北朝鮮の「戦略産業」である。

1週間前に中国の瀋陽市を訪れた帰りに空港の免税店でマルボロという紙巻タバコを購入して思わぬ北朝鮮製の偽物に当たってしまった。約1ヶ月前に友人からカンボジアで購入した同じ銘柄のタバコも偽物であり、北朝鮮の偽造タバコは東アジア地域に流通していることを簡単に想像付くのであろう。

一番の写真では左から日本で、シンガポール空港で、瀋陽空港で、カンボジアで購入したマルボロが移っている。日本とシンガポールで購入した本物にはフィリップモリス社のロゴの大きさは北朝鮮が偽造したものと異なっている(本物のロゴは小さい)。

二番目と三番目の写真ではそれぞれ箱の両側が移っており、明らかに模様と字体が違っている(左側の2つは本物である)。上から四番目の写真では移りが本物と偽物の判別がしにくいが、実物を見るとこの写真の上から二本は偽物であることを気が付くのであろう。

最後の写真を見れば、明らかに紙で巻かれている煙草の色が異なっている。上の二本は偽物である。実物の外見の他に味と灰の違いも判明できる(私は25年間マルボロを愛用してきたので判明することができる)。

偽造マルボロの流通を止めるために、被害情報をフィリップモリス社にご連絡を薦める。

日本国内:
フィリップ モリス ジャパン株式会社
〒100-6190 東京都千代田区永田町2丁目11番1号
山王パークタワー22階
電話番号:03-3509-7200 (代表)
電子メールの場合:こちらをクリックして下さい。

もしくは海外の場合:
Philip Morris International Management SA
Avenue de Rhodanie 50
1001 Lausanne
Switzerland
Telephone: +41 (0)58 242 0000

Saturday, March 22, 2008

Anwar Ibrahim, and viva People Power in Malaysia


Anwar Ibrahim, the champion of justice, freedom, harmony and democracy appears as the cover page of Newsweek (Asia Edition, March 24, 2008). The caption correctly illustrates his political comeback.

The ex-Deputy Prime Minister was sacked in 1998 for going against "Mahathirism" by advocating greater transparency and accountability in the government and ruling parties. He was jailed between 1998 to 2003, in which the conviction was political driven. Although prohibited from political activities in Malaysia until April 15, 2008, Anwar Ibrahim successfully led the opposition coalition (his party Justice Party, Democratic Action Party and Pan-Malaysia Islamic Party) to an unprecedated outcome in the 12th General Election since Malaysia's independence in August 1957. Anwar's coalition (with 40%--about 3.6 million popular votes) denied the ruling coalition two-third majority, by capturing 82 seats against 140 seats of the ruling coalition. Many obervations assert that if it would have been a fair and clean election, Anwar's coalition may have won by a simple majority (i.e., 112 seats).

Anwar is expected to return to political arena through a by-election in May, many Malaysian (regardless of races, gender and ages) are awaiting eagerly for his leadership for creating a fairer equitable society, higher economic efficiency, higher standard of education, lesser crimes, freer and just society for all Malaysian regardless of racial background.

Tuesday, March 18, 2008

日銀総裁とマスコミの対応

3月19日の福井俊彦日銀総裁の任期切れに伴い、福田首相が提示した後任総裁の候補を民主党が束ねる野党連合は参議院で拒否した。その結果、3月20日より日銀創立以来初めて総裁が空席する状況に陥る。この衆参同意人事に係わる騒動は昨年参議選挙後に取り沙汰されてきたにもかかわわらず、福田首相をはじめ自民党の執行部は敢えてその状況を打開しようとしなかったのは内閣と政権政党の無責任さを端的に現している。

日銀総裁は財務省(以前大蔵省)と日銀の出身者の広大で当てられてきた慣例に沿って福田首相はそれを固執し、武藤敏郎元財務省次官(19日までに日銀副総裁)の指名が拒否された。その後、武藤氏の先輩にあたる田並耕治元大蔵事務次官(現国際協力銀行総裁)を指名してそれが再び参議院で拒否された。結局、福田首相および政権政党は国内経済や国際金融よりも、慣例を拘るという愚かな政治決断を優先した結果と言わざるを得ない(また、このような人事は役人OBに対する天下りを助長した典型例を特記すべき)

一方マスコミの方は福田内閣や自民党に対する責任論を展開していると同時に民主党に対しても批判している。しかしながら、民主党の決断はねじれ国会の現状においては同然であることを読者に説明しても良いのではないか。そう思うのは昨年の参議選で国民から委任されたからである。マスコミはこの日銀総裁任命の衆参両院人事同意に係わる政治的駆け引きの現実性をもっと早くしかも真剣に内閣と政権政党に問いかけるべきであり、民主党をはじめ野党の取ったことを批判するよりも自らの怠慢を反省すべきである。

Sunday, March 16, 2008

梅と関連することわざ



先日大学のキャンパスで花色が濃い紅をしている梅を見かけ、春の訪れを改めて実感した。梅の花は寒い冬の中で咲き、その寿命が桜の花と比べて比較的に長い。梅と桜に関連することわざは次のものがあるようです。

「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」、つまり、梅は枝を切ると、切り口から小枝が密生し、枝振りがよくなり、その結果よく伸びて花をつけ、多くの実を結ぶが、それに対して、桜は枝を切ると、木の勢いがなくなり枯れやすいという注意。

世の中に意外に多くの指導者はこのことわざに例えられるのではないかと思って仕方がありません。

Tuesday, March 11, 2008

円高

円高、原油高、株安の連鎖で小泉元首相の改革によって上向きになっていた景気は再び転落する趨勢になってきた。原油高は主に中東における地勢学での供給要因と中国やインド等からの需要要因の他、米景気後退の加速が観測されている中のドル安によるものである。そして、サブプライム住宅ローン返済問題を端に端した米景気の悪化によって日本企業の業績が悪くなつという観測が一段と強くなってきたのは株安をもたらしていると指摘されている。FRBは米景気の後退を歯止めるために金利を引き下げ、その結果日米両国間の金利格差が縮み、ドル安と同時に進行している状況の中で、円高が進んでいる。

円高に関してマスコミや政治家の多くは日本経済にとって悪いという論拠が聞こえている。果たしてそうなのか。「デカップリング説」と言わないまでも、グローバリゼーションの流れで経済の相互依存度が高まり、アメリカの経済が鈍化すれば、世界経済を持続的に成長させるためにはそれ以外の国が需要を作り出しくことが肝要である。

つまり、アメリカ以外の国々はいかに各々の経済を成長させることである。こうした視点から円高は日本にとって追い風であるに違いない。換言すれば、円高は原油や大豆・小麦とかの食料品、そして鉱物・工業の原材料の輸入を緩行する。しかしながら、マスコミや政治家の議論は円高が輸出部門に打撃し、景気の足を引っ張り、よって悪であると決め付けている。とは言っても、最新のGDP統計(2007暦年)によれば、季節調整済の名目財貨・サービスの輸出は約94兆円(対GDP比の17.6%)に過ぎず、輸出に頼る経済成長の期待が明らかに限界がある。

むしろ、民間最終消費は約295兆円(対GDP比の56.9%)であり、政府の景気対策は円高のメリットを活かし、民間最終消費支出を促すことがマクロ経済学イロハであるのではないか。例えば、所得減税や国民の生活が豊かになるよう公的支援(ハコモノや高速道路等のインフラ建設の公共投資ではないことを留意)、外国人投資家や観光客の誘致、円高のメリット活かした海外旅行の推進等が挙げられる。

永田町や霞ヶ関の関係者に党益・派閥の利益を追求するのではなく、国民生活が豊かになる対応、ひいては日本経済が世界経済の持続的な成長を引っ張っていく対策を実行して頂きたい。また、マスコミにもこのような円高メリットを読者に対して喚起してもらいたい。

Sunday, March 09, 2008

第12回マレーシア総選挙

定数222(下院)を争う総選挙は8日に行われた。アブドラ首相率いる与党連合・国民戦線(BN)は自らの予想を反して改選前の議席数199から大幅減少し、140議席を確保し三分の二議席を届かなかった。また、公共事業相や女性・家族・社会開発相等の現職閣僚やマレーシア・インド人会議の党首等の大物議員の落選が突出した。また、同日に行われた地方議会選挙(12州、マレーシアは連邦制である)においても与党連合は5州で負われた。

一方、国民正義党(PKR)、民主行動党(DAP)、全マレーシア・イスラム党(PAS)からなる野党連合は改選前の議席数19から82へと大きく躍進した。これはアブドラ首相の経済運営、汚職・利益誘導、人種問題の煽り等を巡って国民の政府・与党連合への批判が追い風となった結果である。

さらに、特記すべきはPKRの顧問を務めるアンワル元副首相のカリスマ的な指導力によって野党連合を束ね、国民に対して、競争力強化のための経済効率性の向上と配分の公平性、人種の区別を問わない団結と社会的正義、国民の安全強化と汚職の排除、油と必需品の物価安定、教育の質的向上等というマニフェストを軸にした交代可能な連立政権を提示したことである。

アンワル元副首相は97年に発した経済・金融危機の対応にマハティール首相(同時)と対立して解任され、権力乱用罪で牢屋で5年間を過ごした。それによって今年の4月15日まで被選挙権が奪われ、今回の総選挙に立候補することができなかった。代わりにPKRの顧問として他の野党と連携を図って共闘した選挙結果であった。アンワル元副首相(61才)は被選挙権が回復した後、PKRの党首である夫人のワン・アジザが議員を辞職し、それに伴う補欠選に出馬する予定である。アンワル氏の国政復帰はマレーシア政局に大きな影響を与えるに違いない。同時に彼を中心に次の総選挙(5年後)に向けて野党連合は政権交代を実現すると多くの国民が期待している。

アンワル氏の情報に関して以下のURLを参照。
http://www.anwaribrahim.com/index.asp
http://www.harapanmalaysia.com/

Thursday, March 15, 2007

日興コーディアル株の東証上場維持に疑問

日興コーディアルグループは2005年3月期以降の有価証券報告書に不正会計による利益水増しの不正会計処理が発覚され、2006年12月18日より同社の株が東京証券取引所に上場の廃止か維持かを巡って株式市場関係者に注目が集まってきた。東証の独自の調査を経て3月12日に日興株の東証に上場維持という決定を下したが、その判断に疑問があると言わざるを得ない。

この不正会計に関して外部専門家からなる日興の社内調査委員会は「旧経営陣の一部が主体的に関与していた」と指摘し、「不正会計が組織的」であると認定している。しかしながら、これに対して東証の独自の調査結果は「不正会計は組織的、意図的とまでは言えない」と結論し、同社の株を東証に上場維持するという決定をした。

こうした対照的な調査結果は果たしてどれが正しいかについて立場によって意見が異なるのであろう。また、これは次のような例に類似すると指摘したい。つまり、「人を殺した」と自首する殺人犯が、裁判官に「殺人の証拠までは確証が揃えないので無罪である」という判決を下したことに例えられる。

ライブドアは不正会計による粉飾とした決算額は53億円であったため、同社の株が上場廃止された。一方、日興コーディアルグループの場合は不正会計による利益水増し額は2005年から約2年間に400億円と社内の調査結果で指摘されても東証に上場を維持することができた。この違いに関する公平な説明を関係当局に求めたい。

Sunday, January 07, 2007

日本経済新聞社説:「開放なくして成長なし」

日本経済新聞は1月1日〜6日にわたって2007年における日本の経済課題について「開放なくして成長なし」と題する社説を5回シリーズで掲載した。それぞれの社説はこのシリーズのテーマを反映した形で、
  1. 「懐深く志高いグローバル国家に」(1月1日)
  2. 「外資アレルギー克服し、経営改革を」(1月3日)
  3. 「多文化共生の風土築き労働開国進めよ」(1月4日)
  4. 「地域の魅力高め、投資を呼び込もう」(1月5日)
  5. 「「来る者は拒ま」ず」の戦略を早く」(1月6日)
を中心に日本の政治・経済・文化・社会の様々な次元において、政府、民間企業、地方、社会と国民が直面する課題・挑戦、および対応を示唆する内容である。講読を勧める。

Friday, January 05, 2007

Malaysia Boleh

Dato' Seri Dr. Mohathir Mohamad, the 4th Prime Minister of Malaysia, introduced the slogan Malaysia Boleh (simply translated into English as "Malaysia Can Do it") in 1990s to encourage Malaysian society to have faith and confidence in itself. Since its inception, Malaysia Boleh has become a spiritual slogan for the Malaysian politicians, bureaucrats and their cronies in justifying their dedications and efforts for building a better Malaysia. Regretably, these efforts do not reflect the intent of Malaysia Boleh.

Here is a story that illustrates how the leaders and their subordinates (and cronies) use the spiritual slogan--Malaysia Boleh. Sadly, the truth is Malaysia "Mana" Boleh (literally translated into English as Malaysia Certainly Can Not Do It).

Monday, August 21, 2006

Junichiro Koizumi's Yasukuni Shrine Visits.

Howard W. French of the New York Times wrote on "Koizumi's shrine visits cast pall over his legacy" on August 18 in International Herald Tribune. (http://www.iht.com/articles/2006/08/18/news/letter.php)

His article begins with:

"Junichiro Koizumi has gotten one thing supremely right throughout his long tenure as prime minister of Japan. Tragedy, to paraphrase him, inevitably follows periods of isolation."

While French praises Koizumi's efforts and leadership in revitalizing domestic economic problems, and in pushing Japan to engage actively in world affairs such as the United Nations reform, support the U.S. in the wars in Afghanistan and in Iraq, his is also critical to Koizumi's Yasukuni shrine visits. For this, he claims that:

"Unfortunately for Japan, with one of his last acts as prime minister, Koizumi has made sure that scarcely any of this will be remembered. Boiled down to its essentials, any concise take on his place in history will begin and may even end with his singular obstinacy in visiting Yasukuni Jinja, the controversial shrine to the soldiers who have fallen in Japan's modern wars, and most famously 14 Class A war criminals."

French blames the Japanese political culture in general, and the ruling party--Liberal Democratic Party (LDP)--in particular for their dishonesty and nihilism for not reconciliating their past with China, Korea and other Asian countries. Also, equally critical, he argues that:

".......The Yasukuni visits obscure another shame, that the party uses the China bogeyman, coupled with a misplaced appeal to the past, to firm up one of its most important and faithful bases, of graying, nostalgic voters. The shrine visits, with their predictable controversy, are useful for manipulating fear of China,....."

These statements are not entirely true, and if not, are contentious at the best.

Many of the past prime ministers in the last several decades have had repeatedly made official apologies (which reflect the remorsity and humility of most of the Japanese people) to all neighboring countries who were invaded by the Imperial Japan. For example:

1) for the case of China, see http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/china/joint72.html;

2) for the case of Korea, see http://www.mofa.go.jp/region/asia-paci/korea/joint9810.html;

3) former Prime Minister Tomiichi Murayama made an official statement of Japanese remorsity in 1995, see http://www.mofa.go.jp/announce/press/pm/murayama/9508.html;

4) Prime Minister Koizumi reaffirmed Japanese remorsity and apology in his official statement to the 50th Anniversary of Asia-Africa Summit in April, 2005, see http://www.mofa.go.jp/announce/press/pm/murayama/9508.html

Furthermore, since Koizumi became the premier, his supporters and voters of LDP have shifted from graying and lessly populated regional and rural townships/cities to urbans/sub-urbans salary workers, housewives and other members of the society. Koizumi's landslide victory (296 out of 480) was mainly attributed to this renewed change of voter bases.

While it is true that Koizumi's Yasukuni Shrine visits in the past years have generated many debates and controversies domestically, they have also impeded closer diplomatic relationship between Japan-China and Japan-Korea (particularly at the summit level) since the second half of 2001. At the same time, however, Koizumi's persistence also has open up new horizon in re-examining Yasukuni Shrine's visit inside Japan and vis-a-vis China, Korea and other Asian neighbors. Akira Iriyama advocates this line of reasoning in his article at http://www.asiaviews.org.

Friday, August 18, 2006

小泉純一郎首相の靖国神社参拝に思うこと。

3日前の8月15日に小泉純一郎首相は終戦記念日に靖国神社を参拝して2001年の自民党総裁選に掲げた公約を果たしたのである。靖国神社にA級戦犯が合祀された故に、政府を代表する内閣総理大臣の参拝は国内外から抗議と批判をされる。国内では「あの戦争に対する歴史認識」とか、憲法20条で定められている「政教分離」原則とか、「日本帝国に侵略された近隣諸国の国民感情を無視し、外交上の国際感覚のズレ」とかの論理で批判される。国外では、とりわけ中国と韓国を中心にあの侵略戦争の被害者の立場から、日本の指導者(ときには日本国)が戦争責任を曖昧にしていることを厳しく批判している。これらの国内外の批判を踏まえて、日本の全国紙の多くは(日経、朝日、毎日)小泉純一郎首相の終戦記念日の靖国参拝を厳しく批判した。それに対して産経や読売の両紙は理解を示した。

A級戦犯が靖国神社に合祀されてから「靖国問題」は四半世紀以上にわたって存在しており、簡単に明快な答えが出ないように思う。しかしながら、現段階では以下のことが明らかになっているのではないかと思う。

(1)過去5年間の小泉純一郎首相の靖国参拝に関し、国内では賛否両論の輪が広るにつれ、「靖国問題」に関心を持つようになった国民が増えている。

(2)過去25年間において、日本のマスコミは「靖国問題」をあいまいに放置したまま、小泉純一郎氏の首相就任以後、靖国参拝によって引き起された中国と韓国の批判および外交行動に共感や同情するような世論を導いてきた。

(3)「靖国問題」に対する国民の賛否両論は日本の民主主義の成熟度の高さが反映されている。

(4)「靖国参拝」に関する中国側の批判と主張は、民主主義の理念に基づいた言論や思想の自由によるものではなく、むしろ中国の国民の間における格差拡大による民衆の不満のはけ口を逸らしつつ、中国共産党の一党独裁政権を維持する正当性と存在を擁護する理論の一つである。

(5)あの戦争では朝鮮半島は日本帝国の領土の一部として朝鮮人が徴兵され、当時の日本国民と同様にその戦争の被害者と加害者の両面をもっていた。また、「靖国問題」に関する盧武鉉大統領の批判と主張、そして当政権の「アンチジャパン」の感情を仰ぐ法律の制定、さらに彼の言論と政治的・外交的行動は国内政治の失政を挽回するための政治手法の一つである。

Tuesday, August 15, 2006

1日33円で奨学金のドナーになれます。



ミャンマーは依然として軍事政権が続いています。米国政府はミャンマー民主化ロビー集団の影響によって当国に対して経済制裁を行っています。ミャンマーの軍政はこのような外圧に屈する兆しがなく、むしろ「内政不干渉」の中国とますます仲良くしながら、軍政の既得権益を確保した民主体制へと移行しようとしています。

経済制裁のため、外国からの直接投資と諸外国との貿易は激減させられ、しかも日本からのODAも受けられなくなっています。その結果、国民の生活がますます苦境に陥っています。特に、子供達は初等教育を受ける機会が奪われ、農村部においてはその状況がさらに深刻です。幸いに、ミャンマーは仏教の国であり、お寺が軍事政権に代わって、子供達に初等教育の機会を提供しています。しかしながら、個々のお寺も財源に限りがあり、近所に住んでいる子供達を全員受け入れることが出来ません。結局、勉強したい子供達はお寺の教室に通うために、順番待ちの状態が続いています。

そうした中で、SPFの関理事長の誘いで、ヤンゴンから車で約1時間離れている町(Thanlyin Town)のお寺(Thadhamma Zawtika Yone)の教室に個人奨学金を出すことにしました。今、私は子供一人に対して年間100米ドルで、二人分を提供しています。換算すれば、一人あたり約12,000円で、月1,000円、よって1日約33円を捻出すれば、一人の子供が初等教育を受けさせることが出来るのです。奨学金はお寺で1日1食、学校の制服、教科書と文具などの支出を賄っています。

関理事長の誘いで、7月末現在このお寺においては約22名の子供達がこのような奨学金を受け取っています。写真は関理事長と私の奨学金を受けている5人の子供達です。

Tuesday, March 28, 2006

卒業式の季節(下)

海外出張のため、入学式を迎えようとする時期に「卒業式の季節(下)」を大分遅れて書くことになってしまった。

さる3月24日に福岡県柳川市大和町にあるやまと競艇学校の第98期選手養成員、ならびに第69期審判員・第70期検査員養成員の卒業式に出席した。やまと競艇学校は笹川平和財団のスポンサーである(社)全国モーターボート競争会連合会によって運営されている。選手養成は競艇の新人プロ選手、審判員養成は競艇の公平さ、そして検査員養成は競艇の安全性を確保する競技運営関係者を育てることを目的としている。選手養成コースは1年間でモーターボートの操縦と整備、学科、徳育、メンタルトレーニング、ビジョントレーニング、マシントレーニングという7つの訓練メニューから構成される。また、選手養成員はやまと競艇学校の専任教官から指導を受けると同時に、競艇の現役プロ選手の協力を得て実技訓練の指導をも受ける(主に操縦とプロペラ修整)。

選手育成員はやまと競艇学校で住み込み、授業料や施設費を支払う必要がなく、寮や食事等も提供されている。聞く話によると、一人の選手育成員の平均費用は年間2千万円とのこと。この第98期選手育成コースの応募者数が1,293人(男は1,149人、女は144人)であり、第1次試験と第2次試験をへて、入学者数は39人(男は32人、女は7人)となり、約33の倍率であった。さらに、1年間の訓練が厳しく、それを耐えられなかったり、さらに怪我したりして(モーターボート操縦や模擬レースによって)、脱落した選手養成員が6人(約15%)、結局この第98期卒業者数は27人であった。これらの卒業者は今年の4月より競艇の新人プロ選手として活躍され、初年の年俸は平均して約2,000万円であると言われている。因みに、上位にランクされている競艇選手の年俸は平均3〜4億円であると言われる。これは普通のサラリマンの生涯賃金(約40年勤務)に匹敵する金額である。

やまと競艇学校の理念は「礼と節」であり、それをもとに、選手養成員は上記の訓練メニューをもとに競艇選手の実技を習いながら、人間として礼儀と節度の精神を身に付けなければならない。言い換えれば、競艇選手は礼儀や敬意、躾け、協調性と謙虚性の豊かな人格にならなければならない。選手養成員は1年間に「礼と節」に基づく人格の形成が要求され、しかも話によれば、厳しく指導を受けるようである。


この「礼と節」の教育によって、やまと競艇学校のキャンパスでは養成員や学校関係者全員が元気で明るく、訪問者のみならず、互いに大きな声で挨拶したり、返事したりするという生き生きした雰囲気である。このような雰囲気は通常の大学キャンパス(私が知っている限り)では感じ取れないものである。また、こ卒業証書を授与した式典においても、卒業者から「礼と節」の礼儀や躾等が見事であり、私が教えている大学の卒業式ではそのような雰囲気が失われつつある(他の大学でも当てはまると思う)。少々飛躍的な期待ではあるが、大学の教育は専門知識のみならず、人格形成に欠かせない「礼と節」に関わる指導も導入する必要があるのではないかと思ったりする。

ところで、卒業とは英語では「Commencement」と言い、始まりの意味である。つまり、学校から出て社会人としての歩みが始まることである。このやまと競艇学校の場合は、選手養成員が卒業し、公平かつ安全、そして競争の厳しい競艇業界でプロとして活躍することになる。勝負によって、年間億円単位の稼ぐ選手もいれば、通常のサラリマン並みの賞金しか稼げない選手もいる。場合によって事故で競艇選手をやめざるを得ないケースもある。これは普通の学校を卒業した人達にも同じく、競艇選手の収入との違いはあるが、学校を出て社会の現実の中で、社会人としての人生を歩み、その道程に夢、理想、希望を獲得していくのである。何れの場合、学校の卒業は人生勝負の始まりであり、その結果は少なくとも学習(教育や専門的な技能の修得)に対する投資とそれによる収益によって反映されるものであろう。

Monday, March 27, 2006

Commencement Photo 1

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05年度ラウゼミの卒業生(1部):紹介しておきたい卒業生→車椅子の学生は国枝慎吾君、04年アテネパラリンビック・テニスダブルス金メダル(URL: http://shingo.wct-japan.com/)。国枝君はこの4月より麗澤大学に勤務することになるが、これから仕事と日々の練習、そして国際試合への出場等を重ねながら、08年の北京パラリンビックのテニスシングルとダブルスの両種目の金メダルを目指そうとしている。

卒業式の季節(上)

3月になると、教育部門では卒業式の季節を迎える。私の大学も同様、さる3月14日に学部、大学院、そして日本語別科の卒業式を行った。今回の卒業式に私のゼミから12名の卒業生を出した。なかでも、留学生2名(中国籍)であった。00年4月に私が大学に転職してから、今回の卒業生は5期目に当たる。昨年の場合、留年生が2人いったが、今年では全員が卒業でき、ゼミの担任としてほっとした。12名の卒業生のうち、就職が決まった者が9人、大学院へ進学する者が1人、この4月より専門学校へ進路を変更する者が1人、そして就職が決まっていない者が1人(3月14日現在、役員面接が残っているとのことですが、景気も上向きになってきたことから、採用されると思いたい)。

今日の日本では、経済学の視点から大学での勉学が「投資」か「消費」かについて議論が二分されている。私が大学で教える前に、前者の論者であった(自分がそうであったから)。しかし、大学の教員になってから、我が大学の多くの学生の行動を観察すると、大学での勉学は「消費」であると推論せざるを得ない。多くの学生は卒業に必要最低限の単位を取得し、そのために、出席に煩くない講義や課題が少ない授業とゼミを履修する。また、1年生~3年生にとって、キャンパスに来る時間の多くは同好会や部活、そして仲間との喋りである。キャンパス外の時間は多くバイトに傾注している。4月生になった時点から(なかでも、3年生の後半から)就活に忙しく、授業やゼミに出席する時間が取れず、課題をやる余裕もないのは現状である。出席や課題提出などに厳しくする教員もいるが、彼らの担当授業やゼミを履修する学生の数が少ないという。また、少子化の環境の中で、学生の数を確保するため、カリキュラムでは必須科目の数が少なくなってきており、選択科目が増える傾向にある。

経済学の「機会費用」という概念を考慮に入れれば、人文系の私立大学生は4年間で約2,000万円の費用がかかる。大学に支払う入学金、授業料や諸設備費は4年間で約500万円、生活費(教科書代、通学代、家賃や小遣い等)は平均して4年間で500万円、そして、高校を卒業して、就職していれば、年間250万円を稼げると仮定すれば、4年間で約1,000万円の収入を犠牲することになる。現状では、大学卒の初任給は、業種にもよるが、平均して18万円~20万円になると言われている。このようにか勘定してみると、大学での勉学は「投資」か「消費」かのいずれの行動になるかが明らかになろう。

Thursday, March 16, 2006

ブログ開設にあたって

いよいよ、ブログを開設。00年4月に大学に転職したときから、個人ホームページを立ち上げようと思いつつ、HPの運営が面倒で、結局何もしないままに。このブログに世の中の出来事について自分の考え、旅行の所見等を掲載し、そのコンテンツを関係者と共有するものとしたい。