Sunday, September 18, 2011

復興増税:雑感

東日本大震災が発生して半年が過ぎた。政府は震災からの復興期間が10年、その事業費を23兆円規模と決定した。その震災事業費の半分を「臨時増税」で国民が連帯して負担することになる。この「復興貢献特別所得税」に係わる増税期間は5年間とする声もあれは、復興期間と同様に10年間に、または国民の負担を軽減させるために15~20年にすべきという声も聞こえてくる。何れにせよ、震災からの復興は金がなければできないものであり、問題は金の調達に要する期間の違いである。

この増税に関して、「消費税」の増税という手段もあるが、どうもそれの受けが与野党の両陣営においても敬遠されているようである。不思議にかなり多くの政治家は「消費税」増税が政治の命が落とされることを迷信しているようである。11.2兆円の財源は5%の「消費税」に相当するものであり、一年間だけで全額を確保できるのは「経済学」の学位を持っていなくても分かるはず。それに今後基礎年金や保険料の負担増の財源を確保しなければならないことを考えれば、復興貢献を契機に「消費税」を10%に引き上げた方が合理的であろう。つまり、2012年度の消費税増税分を復興事業に、2013年以降はそれを基礎年金や保険料に充てることである。

残念ながら、多くの政治家は目先のことにしか関心がない。例えると、沸騰した湯の鍋にカエルを入れると、カエルが飛び出してしまい、逆に生温かい水を入れた鍋にカエルを入れ、沸騰するまでゆっくりと温度を上げていけば、カエルが安楽に死んでいく。今回の復興増税は正にこの比喩の通りである。国民は政治とは何かについて真剣に考えなければ、皆がカエルの例えのようになる。

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