日本政府はアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を見送った。この決断は3月23日のブログで論じたように、AIIBのガバナンス体制や投資案件の審査基準が明確でないためにである。さらに米国はIMFや世界銀行、そしてアジア開発銀行(ADB)などの地域国際金融機関の主導と対峙する懸念があり、AIIBの参加を見送ったため、兄貴の意向を逆らえないというウラ事情もあったのだろう。
3月31日に51カ国・地域が創設メンバーとして参加を表明した。G8のうち、日本、米国、カナダを除いで5カ国、先進国クラブであるOECDの34か加盟国のうち、半分以上の国々がAIIBの創設メンバーとしての参加を表明した。多国間の金融機関となるAIIBは中国の主導によって創設されたが、当国の独占は考えにくい。
日本政府(より正確に言えば、財務省の役人)の主張しているガバナンスや審査基準の不透明である懸念は決して問題に当たらない。なぜなら、AIIBの創設メンバーの中に先進国や新興経済諸国が多数に参加されているので、当該組織のガバナンスや案件の審査基準などは国際スタンダードにならざるを得ない。また、これらの国々はこれまで国際金融機関との関わりで蓄積した経験やノウハウも生かされていくと期待することができよう。そうしてみると、日本政府の懸念は実に心配不要である。むしろ、日本は表明した国々と一緒にAIIBを立派な国際金融機関を育て、さらにはIMF、世界銀行、ADB等の国際金融機関と補完的な役割を演じられるように誘導していく役割を演じてほしい。日本は「名を捨てて実を取るべき」である。
3月31日に51カ国・地域が創設メンバーとして参加を表明した。G8のうち、日本、米国、カナダを除いで5カ国、先進国クラブであるOECDの34か加盟国のうち、半分以上の国々がAIIBの創設メンバーとしての参加を表明した。多国間の金融機関となるAIIBは中国の主導によって創設されたが、当国の独占は考えにくい。
日本政府(より正確に言えば、財務省の役人)の主張しているガバナンスや審査基準の不透明である懸念は決して問題に当たらない。なぜなら、AIIBの創設メンバーの中に先進国や新興経済諸国が多数に参加されているので、当該組織のガバナンスや案件の審査基準などは国際スタンダードにならざるを得ない。また、これらの国々はこれまで国際金融機関との関わりで蓄積した経験やノウハウも生かされていくと期待することができよう。そうしてみると、日本政府の懸念は実に心配不要である。むしろ、日本は表明した国々と一緒にAIIBを立派な国際金融機関を育て、さらにはIMF、世界銀行、ADB等の国際金融機関と補完的な役割を演じられるように誘導していく役割を演じてほしい。日本は「名を捨てて実を取るべき」である。
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